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それにしても弘前を通過したところで降り出した夕立はすごかった。ワイパーを高速にしても視界が利かない土砂降りだ。こんな
夕立に八甲田山で遭遇しなくてよかった、などと1日を反芻しながら、岩木山の南を半周する県道3号線に入り、今夜の宿を探す。
道路沿いの観光案内所に飛び込んで紹介を頼むと、親切に空いている宿を探してくれた。夕方の遅い時間でもあり、何軒か断られたが、
嶽温泉の民宿ならOKと紹介される。丁重にお礼を言い案内所を後にする。
民宿でひと風呂浴びて、夕食の時間となる頃、遠くから太鼓の音が聞こえてくる。夏祭りの時期だなー、と聞き流しながら食事を終えたが、
太鼓の音はだんだん大きくなっている。ビールの効き目が充分に回った頃、太鼓の音は宿の下まで来たようだ。カメラを持って飛び
出してみると、20人ほどの若い衆が ミニねぷた
を引きながら練り歩いている。
太鼓の音が遠ざかるのを聞きながら、早立ちの了解を得て、宿泊料も清算を済ませた。その晩はそのまま寝てしまった。
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早朝暗いうちに宿を出て、少し弘前方面に戻ってコンビニで食料と飲料水を調達し、とんぼ返りで登山口を目指す。今日は百沢コース
を少しショートカットして、百沢スキー場から登山道に入る。広い路肩に車を止めて、ゆっくり身支度を整える。
昨日の夕立や朝露のことを考慮に入れ、足元は少々暑苦しいがスパッツをつけて、5:30出発。
ここまで桜林をくぐってきたコースは、スキー場の建物をくぐってゲレンデに出る。500mほどゆるやかなゲレンデを登り、左に
折れて森の中に入る。ブナの大木の森を進むコースは、下草も成長が押さえられて歩行の邪魔になるものはない。
それが七曲りを過ぎるあたりから様子が変わってくる。コースの両側に生い茂る雑草は、ところによっては地面も見えないほどに
コースを覆い隠す。雑草は、時に背丈を越えるようなクマザサに変わる。それらは朝露(あるいは昨日の夕立?)をタップリ蓄えて、
容赦なく歩行者に降り掛かる。カラスの休場に着く頃には、殆ど全身ずぶ濡れ状態になっていた。装備してきたスパッツは、今日に
関する限り何の役にもたっていない。
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おのれ憎っくき雑草め!とばかりは言えず、時にはきれいな花をつけて目を楽しませてくれるものもある。名も知らないものに混じり、
時には カラマツソウ
など暇人好みの花が、朝のやわらかい光を受けて愛嬌を振りまく。
こうして雑草に痛めつけられ、時に慰めれれつつ歩くこと約2時間、コースが右に直角に向きを変え巻き気味に進むと、間もなく焼止
ヒュッテに着く。ここで8分の小休止。
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ヒュッテを過ぎて、尾根をまき気味に少し進んだところで枯れた沢筋に出る。コースはここから沢を辿り、何度も枯れた滝を高巻き
する険しい道に変わる。肩で息をしながら暫く進むと、沢は水を湛え始める。冷たさは?と手を入れるも、少し温かみが感じられ、
口に入れる勇気は沸かない。
この辺から沢の両岸にミチノクコザクラか、ハクサンコザクラか判別はつかないが、きれいな淡紅色の花が目立ち始める。ラッキー
なことに絶好機に通りかかったようで、花びらの退色も殆どない。所どころに
大きな群落 をつくり、咲き乱れている。
遡るにつれ、沢の水量は次第に増え、やがて錫杖清水に着く。斜面の岩の隙間に差し込まれた塩ビパイプから、冷たい清水が勢いよく
噴出している。空になったPETボトルを満たし、腹一杯(ちょっと大袈裟!)に給水して、再び歩き始める。
20分ほどで種蒔苗代の表示のある池に着く。ここに来て初めて、山頂に向けてこれから辿るコースと山容が見渡せるようになる。
険しさは更に増す。これから始まる最後の難関入りに備えて、10分余り小休止とする。
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7分ほどで鳳鳴ヒュッテを通過。ここで車とロープウェーを乗り継いできた登山客と合流し、客足は大幅に増える。中にはビーチ
サンダルで上がってきたお手軽ハイカーも。
ここから上はゴツゴツとした岩場の急斜面に、上り下りの人波がひしめき合うような行進となる。いつもなら肩で息をしながら、
休み休みの歩行になる急登の岩場だが、お手軽ハイカーに対するツッパリようなものがスタミナ源になるのか、不思議と"一休み"
への要求は湧いて来ない。こんな競争のような歩行を続けることおよそ20分、ようやく山頂に到着。
山頂は大勢のハイカーで賑わっている。主要なモニュメントの前は、記念撮影のため空きを待つ小さな行列ができる程だ。暇人も
頃合を見計らって、登頂の証明写真をゲット。続いて山頂からの展望を、と遠景に目を向けるもガスに覆われて殆ど何も見えない。
かろうじて八合目駐車場がかすかに見えている程度だ。遠くは諦めて、山頂一帯を散策。
昼食には早すぎる時間なので、20分程を過ごして10:15下山開始。
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下山は登ってきたコースを逆に辿る。毎度のことながら下りではハイピッチで距離と高度を消化する。
錫杖清水でPETボトルに水を再充填、これは持ち帰り用だ。喉も潤おし、冷たい流水に腕・顔を浸して、さっぱりしたところで歩行再開。
沢を下る間は、スリップや浮石に注意して慎重に足を運び、程なく焼止ヒュッテへ。10分弱休憩の後、下山再開。
登りでびしょ濡れになった雑草の朝露(雨?)は、大勢の登山者に払い落とされたか、気温上昇で蒸発したか、今はすっかり乾いて
いる。
時間帯としては今頃が普通なのか、大勢の登りの客とすれ違いながら快調に歩を進め、12:25無事に百沢スキー場へ到着。
装備を解いて、昨日目星をつけておいた町営の温泉へ。日帰り入浴300円也。正午を過ぎたばかりの早い時間帯なので、他の客は誰も
いない。大浴場一人占めでゆっくり汗を流し、次のターゲット岩手山方面へ出発。
岩木山で出会った花
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