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河原坊登山口の駐車場脇には「この先駐車場はない」旨の看板が掲げられていて、小田越からの入山を目指す暇人を少し不安にさせる。
だめならここまで戻ることにして、構わず進む。峠付近からポツポツと路肩に突っ込んだ車が散見されるようになる。峠を200m
ほど通り過ぎた辺りで、どうにか駐車できる路肩のスペースを見つけて、ここに車をねじ込む。付近に6台ほど駐車しているが、ここは
これで限界だろう。
周囲はすっかりガスに巻かれていて、遠景は何も見えない。南の海上に台風が接近しているため、天気が崩れる恐れもあり、手早く
身支度を整え峠に向かって県道を戻る。
登山口で入山届け名簿に名を連ねて、7:31登山道に入る。入り口から木道が敷設されているが、これは程なく途切れる。コースは
裾野になだらかに広がる針葉樹林をくぐって進む。晴れていても見晴らしの全くきかない、やや退屈な登山道を30分ほど進むと、
針葉樹が次第に広葉樹に変わり、やがて森は終わる。
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ここから高度差200mほどは、巨石が積み重なる急な登りになる。樹木はハイマツが主体となり視界が開けて来る。樹林帯を歩いて
いる間は気付かなかったが、結構大勢の登山客がいる。しかし、大半は岩に座り込んで休憩している。
時々ガスが切れ、麓まで見渡せることがある。樹海の中に、小さく小田越山荘の屋根が光っているのが見えるが、長くは続かない。
高度が上がるにつれ、コース脇の高山植物の花々が多くなる。多くはないが、ウスユキソウらしき花も見受けられる。ハヤチネウス
ユキソウならラッキーだが、果たしてどうだか...。ガスの影響で光量が足りず、目で追うだけで済ませながら歩く。帰りに期待
したいところだが、雲行きはどっちに転ぶか...。
30分余りで巨石群をやり過ごすと、傾斜はややゆるくなる。スイスイと距離を稼いで、尾根に出る直前の最後の急登に到達。
ここには2段にわたり、手がかりのまるでない岩盤を越えなくてはならない。といっても自分の手足だけでよじ登るわけには行かず、
岩盤に敷設された梯子のお世話になることになる(注:一方の梯子には迂回路がある)。この梯子越えをこなせば、程なく登攀路は
終わり、尾根筋の剣ヶ峰分岐に至る。
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剣ヶ峰分岐を過ぎるとコースはアップダウンがほとんどない、平坦な遊歩道の趣きになる。今は乾燥して水気は全くないが、雨季や
雪解けの時期には湿地化するであろう風情の漂う平地を過ぎ、最後の小さな坂道を越えると避難小屋に着く。その背後は早池峰山頂
である。
さすがに人気の山だけあって、山頂の広場は大勢の登山客で賑わっている。山頂の主なモニュメントから人影が途絶えるのを待つのは、
かなりの忍耐が必要だ。
相変わらずのガスで遠望は全く利かない。空模様も優れないし、長居は無用、ということにして、山頂滞在は10分ほどで切り上げ、下山
にかかる。
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岐路は登りと同じルートを逆に辿る。
普通の時間帯に自宅や宿を出発したであろう、大勢の登山客とすれ違う。今日に関する限り、天気の動きを見ると"早起きは三文の得"
が成立するかも知れない。
その天候の方は相変わらずで、好転する兆しはないが、目標の山頂を踏んで来たという安堵感もあり、コース脇の花々にカメラを向ける
余裕が出てきた。登りの際には横目で見送って来た花の一つひとつを、注意深く見直しながらコースを下る。
数や華やかさで目立つのはナンブトラノオ(写真)の他、
ナンブトウウチソウ 、 タカネナデシコ
といった花々で、これらがこの時期の御三家といったところか...。
早池峰の花々
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30分ほど路傍の草花にウツツを抜かしている間に、天候はだんだん悪い方に変わりつつあるようだ。ガスの粒子は次第に大きな
霧雨模様になり、メガネに水滴が付くようになり始めた。本降りになる前に、せめて車まで行きたいと足を速める。
中腹の急な岩場はまだ濡れるというほどではなく、危なげなく通過できたが、本降りになると滑り易い難所になるかも知れない。
更に下って山麓の樹林帯の半ばに至る頃には、霧雨は次第に粒が大きくなり、さっきまで横から流れてきたものが上から落ちて来る
ようになるものの、状況の変化が非常にゆっくりしたものであったことと、樹林が傘代わりになってくれたことに救われて、雨具を
取り出すまでには至らなかったのはラッキーだった。小田越登山口に辿り着いた直後、雨は我慢の限界に達したかのように、本格的
な降り方に変わった。自称"晴れ男"は今回もギリギリ判定で防衛した、と日記には書いておこう。
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