至仏山
2,228m (2007/08/10)
コースタイム:
元湯山荘(6:25) ─→ (8:31)
山ノ鼻登山口(9:00) ─→ (11:07)高天ヶ原 ─→ (11:25)至仏山山頂(11:37) →
─→ (11:47)高天ヶ原 ─→ (13:08)山ノ鼻登山口
(13:25) ─→ (15:24)元湯山荘(15:30) →
─→ (16:02)三条の滝分岐 ─→ (16:44)渋沢小屋分岐 ─→ (17:20)上田代 ─→ (17:43)御池登山口
※各ポイントの左時刻は到着時刻、右時刻は出発時刻を表す
同行者:
なし(単独行)
山小屋を朝6時半前に出て、山の鼻に向けて朝モヤに包まれた木道を辿る。昨日は昼前に行動を打ち切ってしまったため、今日歩く 距離が8kmほど伸びてしまった。今日は半端ではないウォーキングになりそうである。
この時期、コース周辺で見られる花は、量では
サワギキョウ
と
コバギボウシ
が最も目に付く。名の通った草花として、 この時期なら
ヒツジグサ
も加わる筈だが、 まだツボミのままである。名前の通り未の刻(PM2時頃)まで頃合を計っているのか。帰りの時間が楽しみである。
中間点に近い竜宮十字路を過ぎた辺りから、すれ違うハイカーの数が増え始めたが、西に向かって進む歩行者は数えるほどしかいない。 今回私が辿ったルートは、マイナーなルートだったのか。
2時間余りかかって、山の鼻に到着。殆ど平坦な湿原歩きだが、距離が距離だけにかなりくたびれた。
山の鼻の休憩所で、長めの30分の休憩をとって、至仏山に向けて歩き始める。平坦な遊歩道を500mほど進んだところに、
入山届
提出箱が設置されている。必要項目を書き込み、 投函して歩行再開。針葉樹の森を縫ってコースを辿る。
山の鼻登山口辺りの標高は1400m前後。そこから僅か200mほど登っただけで、針葉樹の森は途切れ、潅木帯に変わる。他の山と比べて 森林限界が低いのは、この山を構成する主な岩石が蛇紋岩で、これから溶け出す成分が植物の生育を妨げるためだとか。
森から抜けて期待されるのは周囲の風景である。前に向かって歩を進めている間は、気温の上昇も手伝って途方もない辛さであるが、 足を止めて振り返った時の風景は、★5つ級のすばらしさである。
この山の辛さの根源−その1は、先に取り上げた蛇紋岩である。乾いているときは普通の岩石だが、雨や朝露で濡れると、ツルツル 滑って、甚だ危険なのである。このコースは一部沢筋を通っており、流れ出る沢水はコースを水に浸す。多くのハイカーが悪戦苦闘 したであろう岩場は、テカテカに磨き上げられている。
辛さの根源−その2は、コースの各所に敷設された階段である。ハイカーの安全を期して設置された階段だが、その多くが
この画像
のように、空中に浮いていて(※ 土砂流失が原因ではなさそう!)我々のような小柄な体では利用できないのである。ここで紹介した階段の場合、第1段が私のお股 の辺に位置しており、どう大股を広げても足が届かない。殆どの登山者はこれを利用できないようで、迂回ルートが出来上がっている。
歩いて地獄、休んで天国、ではないが、休憩で振り返って見る尾瀬ヶ原の風景は正に絶景である。東の端には、昨日悪戦苦闘した 燧ヶ岳が、更にその左後方には一昨日歩いた会津駒がきれいに見通せる。
足元は?というと、いろいろ高山植物が花を付けてはいるが、今いち魅力に欠ける。殆どカメラを向けることなく通過してきたが、 今回の山行で初めて出会った
オオバギボウシ
の前では思わず足を止めたものの、撮影には失敗していた。
下ってくるパーティとの立ち話では、鳩待峠からのルートは、もっと楽だったという。そりゃーそうだ。同じ高度を、倍の距離で ジンワリ登るんだしナ〜。
ハードなコースと格闘すること2時間半、なんとか山頂に到着。頂上は大勢の登山者でごった返している。
立派な御影石造りの山頂の標柱である。この前で記念撮影する人が列をなしている。この人並みが途絶えるのを待って、
自分
も記念撮影を済ませる。
込み合う山頂滞在は10分余りで切り上げて、下山開始。
登りと同じコースを逆に辿って山の鼻を目指す。
風がないことや日差しの強さに、登りの時と違いはないが、下りはやはり楽だ。玉石に足をすくわれたり、濡れた岩場でのスリップ に全神経を集中して歩を進め、取り敢えずアクシデントもなく山の鼻登山口へ。
山頂まで2.9kmを往復して4時間少々、まー上出来だ。
これで今日の行程の半分を消化しただけだと思うと、ちと気が重い。
それはそれとして腹が減った。というわけで山小屋に併設の食堂に飛び込み、"山菜冷しかけそば"をチョイス。これが実に旨かった。 正直言って期待はしていなかったので写真も撮らなかったが、次に行くことがあれば必ずリピートする。
先が長いのでのんびりはできない。山の鼻では昼食を含めて15分余りの休憩に留め、13:25 岐路に付く。あと15km・・・。
往路で観察した際には開花していなかったヒツジグサが、この時間すっかり咲き揃っている。名前の由来は正しかったか、とその時 は感心したものだったが、帰宅してよく調べてみると、この花は明るくなると咲くのであって、午後2時(未の刻)との相関はないと いうことであった。
朝と比べて人出は格段に増えている。気ままに歩みを止めて写真を撮るなぞという行動が、はばかられる混雑振りのところもあるが、 それも竜宮を過ぎた辺りからは次第に人影が減り、見晴を過ぎると木道は殆ど無人状態となる。
15:24 元湯山荘に到着。
フロントで冷えた缶コーヒーを調達し喉を潤す。至仏山まで行って来たというと、びっくりしたような表情をしたが、更にこれから 御池まで行くと言うと、2度ビックリの様子だった。
休憩6分の後出発。あと7km・・・。
ここからは完全な山道である。念のため、熊よけのスズを取り出す。
途中、少し寄り道をすれば、名爆・三条の滝があるのだが、今日はそんな時間はない。黙々と山道を歩く。歩く。歩く。
16:02 三条の滝ルートとの合流点。 あと5.5km・・・。
16:44 渋沢小屋分岐。あと4km・・・。
17:20 上田代。あと1km・・・。
この時間、ここまで来れば明るいうちに御池まで行けることは間違いない。少し余裕を取り戻して、周囲の草花にも目が向くよう になる。
ここでもやはり数が多いのは
キンコウカ
である。次いで
コバギボウシ
が目に付く。
更に進んで、御池田代の外れで、珍しい
白花コバギボウシ
に出会った。まだ褪色も始まっておらず、ちょうどいいタイミング で出会えたようだ。
燧ヶ岳への分岐
を通過し、 17:43 御池登山口に到着。遠かった。
本日の総歩行距離およそ29km・・・・
疲・れ・た・・・・