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8時を少し回った頃土合に着いたが、大雨でとても山を這い回りたくなる状況にはない。半ば諦めてフテ寝していると、いつの間
にか深い眠りに・・・ZZ・・zz・・・。
目が覚めたら10時前になっていた。幸い雨は殆ど上がっている。これなら登れる!ということで急いで身支度に掛かる。
普段は10時にもなると、高度差1000mを越える山には手を付けないことにしているが、この山の場合、いざという時はロープウェー
でのショートカット下山という奥の手があり、決行を決めた。
どこかの旅行社の"一の倉沢紅葉狩りツアー"の40〜50人の団体に混ざって国道を歩いて、西黒尾根登山口へ。ツアー客を見送って、
10:18 コースに入る。
参考地形図
コース断面図
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この山の長所の一つは、コース全般が水はけが良い点である。つい先程まで大雨だったにも関わらず、コース上に泥濘は全くない。
但し、足場が乾くまでは至ってないので、岩場、木の根でのスリップには身構えて臨む必要がある。
空はどんより暗いが、コース周辺は黄色く色付いて華やぎさえ感じる。これで日が差していれば・・・いや、そこまで欲張るのは
止そう。
コース脇の草むらには、次の春に供えて大きな花芽を用意したイワカガミや
ショウジョウバカマが目に付く。
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広葉樹の森を抜けると、剥き出しの岩場が始まる。いくつかの鎖場を越えなくてはならないが、やはり足元は滑り易い。
このような切り立った鎖場では、脚力もさることながら腕力がものをいう。時に、登山のあと足の痛みはないのに、なぜか腕の
筋肉痛に見舞われることも・・・・。
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完全武装で下って来た登山客。
立ち話で交わした情報によると、この人は大降りの最中、ロープウェーで上り、頂上を踏んでここまで下って来たという。こちら
とは逆回りで歩いていることになる。やはりコースは滑り易いようで、「何回尻餅をついたか分らん」と、ぼやきながら下って
行った。
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"ラクダの背"まで来ると、前方・山頂方向の視界が開けるが、上空はガスに巻かれて殆ど見通しが利かない。
右手方向に目をやると、東尾根の奥方向
には、わずかに青空も覗いているが、こちらの上空まで広がってくれるかどうか・・・。
この時点で既に12時を過ぎており、ここで軽く昼食をとることにした。
10分余り休憩して歩行再開。ここからは少し下り、ガレ沢の頭でマチガ沢を登って来た巌剛新道に合流する。ここからザンゲ岩
まで、高度差200m弱の険しい登りにかかる。切り立つ崖やクサリ場はないが、コンスタントに急登が続く。
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ザンゲ岩辺りでガスの中に踏み込み、遠方の視界を失った。見渡せるのは20mどまり、大袈裟に言うと牛乳瓶の中に落ち込んだような
状態である。
ここまで来ると、コースの斜度はやや緩くなり歩行のペースは幾分アップする。
14:08 双耳峰の南側のピーク、トマの耳に到着。
先着の登山者が下山しようと歩き始めたところを、厚かましくも呼び止めて記念写真のシャッターをお願いする。いやー、実に
申し訳ないことで・・・・。 山頂部で出会ったのは、結局この時の一人だけだった。
トマの耳は短く切り上げて、北側のピーク、オキの耳を目指す。
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馬の背のような狭い尾根を辿ってオキの耳を目指す。
14:25 オキの耳に到着。
誰もいない山頂で、岩場にカメラを据えてセルフタイマーで記念撮影を済ます。この時点で気温は3℃、一面真っ白で何も見えず、のんびり過ごしたい状況ではない。
加えてロープウェーの最終便が出るまでに天神平に到着しなくてはならない。という訳で、5分ほどの滞在で、山頂を退散した。
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尾根道を逆に辿って、一旦トマの耳に戻る。ピークには戻らず、巻道に進路をとって、緩やかな笹原の道を辿って肩ノ小屋へ。
中年の女性登山者が2人、ガスの中を散歩(?)しているのに出会った。今夜はこの小屋に泊まり、明日山頂を目指すという。短い
やりとりの後、2人は寒いと言って小屋に駆け込んで行った。
こちらは下山を再開。足をすくわれそうな、ガレ場ののコースを辿る。予想以上に勾配はきつい。泥濘はないが、小石を踏むと
スリップ転倒の恐れがあり、油断はできない。
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終盤を迎えたミズナラやブナの紅葉が彩る尾根を下り、次なる目標、避難小屋を目指す。標高1460m辺りに位置する避難小屋までは、
概ね左画像のような、ガレ場の急な下り勾配が続く。
15:33 避難小屋を通過
この後、天神平までは勾配は劇的に緩やかになる。これに伴って、コースに泥濘が目立ってくる。勾配のきついところ以外には木道
が設けられてはいるものの、老朽化して傾いていたり、スリップ止めが取れていたりで、雨でぬれて滑りやすい今は、お世話にはなり
たくない代物と化している。迂回する踏み代がないところを除いて、極力木道以外を辿りながら、天神平を目指す。
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16:10 ロープウェー天神平駅に到着。
泥濘で泥だらけになった靴を、駅の入り口に設けられた洗い場でザッと洗い流し駅舎へ。最終便は4時半ぐらいか・・・と思って
急いで下ってきたが、実際は5時だという。
片道乗車券1200円也。取り敢えず直近の便に乗り、乗客1人の貸切状態で土合口に降りる。ロープウェー下の山肌は、紅葉の真っ盛りである。
16:28 土合口駅に到着。
天候不順のしわ寄せで、下りは手を抜いて文明の利器を使ってしまったが、ま、今回は緊急避難ということにしておこう。
何はともあれ、祝・無事下山・・・だな。
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