浅間山(前掛山)
2,524m   (2007/11/13)
コースタイム:
車坂峠登山口(10:40) ─→ (12:04)トーミの頭 ─→ (12:38)湯の平分岐 ─→ (12:57)Jバンド分岐  →
  ─→ (14:15)山頂(14:25) ─→ (14:58)Jバンド分岐 ─→ (15:08)湯の平分岐 ─→ (15:13)火山館(15:25) →
  ─→ (15:52)三ノ鳥居 ─→ (16:22)小諸口
 ※各ポイントの左時刻は到着時刻、右時刻は出発時刻を表す
同行者:なし(単独行)
小諸についた頃にはまだ雨が降っていた。コンビニで食料と飲料を調達して、車坂峠に向かって走っているうちに、次第に雨脚は 弱まり、峠に差し掛かる頃には雨は上がった。一方、路面には雪の塊が・・・。長野県側は除雪されていて、普通タイヤでも問題は ないが、あまり気持ちのよいドライブではなかった。
山の方角は厚いガスに遮られて何も見えないが、この位置よりいいはずはない。除雪されていない峠の駐車場に車を押し込み、 身なりを整える。雪中行進に備えて、そこそこの重装備で臨むことになった。
10:40 入山届を投函して歩行開始。コース入口付近の雪は半ば溶け始めている。




   参考: 地形図
コースに入ると積雪は2〜3cmで、1人分の足跡が残っている。選りに選ってこんな天候の日を選んで山に登る物好きが、自分ひとり だけでなかったことで、どんな人物かは分らないものの、何となく親しみを感じる。
高度が上がってもコース上の積雪は大きな変化はないものの、コース脇のモミなどの樹木に付いた樹氷が次第に分厚くなって 来るのが分る。今はまだ幹や枝が分かれているが、季節が深まれば巨大な塊、モンスターになるのだろう。
コースはアップダウン繰り返しながら、少しずつ高度を積み増して行く。時折ガスが薄れて、ここが火山であることを主張 するように、溶岩柱が立ち上がっている のが見える。
標高1300m余りで"トーミの頭"に到着、ここから一旦、今まで登って来た高度を全て吐き出すように、火口壁のような壁を下る。 事前の地形図チェックでは見落としていたが、想像以上の険しい下りである。加えて積雪で滑り易いと来ては、ついつい腰が引けて しまう。間違いなく、誰にも見られたくないような、情けない歩き方だったと思う。
"トーミの頭"から湯の平に下る崖の道、"草すべり"の途中で、一度だけきれいにガスが切れて、浅間山の特徴的な縦縞の山容が見渡す ことができた。左の稜線に向けて、これから辿る予定の登山路が、右回りに螺旋を描くように延びている。
事前の目論見では、この風景を"トーミの頭"から、対等の目線で、しかも青空をバックに見るつもりでいたが、ことはそう都合よくは 運んでくれないものである。
寿命を縮める思いをしながら、崖の道を下り終えて湯の平に到着。
コースの合流点に掲げられた看板によると、"草すべり"は通るな、と読める警告が記載されている。もしかしたら通行禁止のコース に踏み込んでしまったか...。もちろん下山の際は、絶対に通りたくない。
取っ掛かりが遅かったので時間に余裕がない。休憩は省いて山頂を目指して歩き続ける。
モミなどの針葉樹の森が途切れて、熔岩礫むき出しの斜面にでる。ここでこの日4人目の登山者に出会った。挨拶を交わしただけで すれ違ったが、出足の遅い客をいぶかるような表情で通り過ぎていった。
"草すべり"で一瞬浅間の山容が見渡せた時には、ひょっとしたら天候は回復するかも...と期待を持たされたが、そうは問屋が 卸さず、ガスは次第に濃くなって来た。積雪量も、山頂に近づくにつれ、次第に深くなっている。
雪だけでなく、標識や規制ロ−プなどあらゆる構造物の他、雪から顔を出した岩石にまで"エビの尻尾"がこびりついていて、寒さを 演出している。
浅間山の本体は、火山活動の活発化で規制されていて近付くことができない。便宜的に代替山頂として、前掛山を浅間山の山頂と 見なしている。
外輪山のヘリ、標高2400mを少し超えた辺りで、コースは鋭角に右に折れて前掛山を目指す。積雪は15cmほどだが、硬く締まっていて 靴が潜ることはない。
強烈な風で先行者の足跡はきれいにかき消されて、コースがどこだか定かでない。ひたすら尾根のピークを追いながら頂上を 目指す。
14:15 山頂に到着。
早速、記録写真の収録にかかる。分厚い耐寒手袋をしていては、シャッター操作もままならず、一時的に手袋を取ることに。山頂 標柱に続いて、自身もセルフタイマーで写し込んで 記念写真の撮影を済ませる。この間、ほんの3、4分だったが、手袋を取った右手はかじかんで殆ど感覚を失ってしまった。 この寒さ、恐るべし・・・。
寒い上にガスで何も見えないので、頂上滞在は10分で切り上げ、そそくさと下山にかかる。
ごく短時間だったが、濃厚なガスで視界が2mほどまで悪化した時には、少し焦ってしまった。今までコースの目安にして来た尾根の ピークが容易には判別できないのである。ホワイトアウトというのは、こんな状況をいうのかも知れない。
この後、ガスが平常に戻ってからは、スリップ転倒しない程度の早足・大股でコースを下り、森林帯に入る頃にはうっすら汗をかく ほどになった。湯の平で小諸口に向けて進路をとり、火山館で少し休憩をとることにする。振り返ってみると、立ったままの1分前後 の休憩は何度か取ったが、まとまった休憩は今日は取っていない。
小屋に入り休ませて戴く。中では管理人さんが飼っている土鳩が、テーブルの上を歩き回っている。いつの間にか居付いてしまった というハトは、人に慣れ切っていて、手を出すと餌でもくれるかと近付いて来る。ごめんナ、手ぶらで来て・・・。
10分余りの休憩中に、管理人さんから、小諸のタクシー会社の電話番号を教えてもらう。何しろ小諸登山口から車坂峠まで、歩いて ・・・という訳には行かないもので・・・。更に管理人さんは、"二の鳥居"で電話しておけば、登山口に人と車が同時に着くと教えて くれた。親切に感謝。
火山館から下の登山路は、道幅は広くはないが、よく手入れされている。路面の凸凹も少なく至って歩き易い。快適に高度を消化する。 標高1800m前後まで下ったところで雪は消えた。乾いた土の道は、足裏への刺激が柔らかく、気持ちよく歩ける。
15:52 "二の鳥居"に到着。アドバイス通りここでタクシーを予約し、歩行再開。この先も歩き易いコースは続き、道幅は次第に広く なる。

16:22 小諸口に到着。タクシーが先に到着していて、出迎えてくれた。

雪の崖道下りやプチ・ホワイトアウト体験など、寿命が縮む思いをした山歩きになったが、取り敢えずは"祝・無事下山!"・・・だな。