鹿島槍ヶ岳
2,889m (2008/08/02)
コースタイム:
下山:
五龍岳山頂(6:47) ─→ (9:56)キレット小屋(10:28) ─→ (10:41)八峯キレット →
─→ (12:10)鹿島槍・北峰(12:21) ─→ (12:58)鹿島槍・南峰(13:20) ─→ (14:30)冷池山荘(泊)
冷池山荘(6:00) ─→ (7:30)爺ヶ岳・南峰(7:34) ─→ (7:58)種池山荘(8:30) ─→ (10:55)扇沢
※各ポイントの左時刻は到着時刻、右時刻は出発時刻を表す
同行者:
なし(単独行)
五龍から鹿島槍までは、直線距離で3.8km。特徴的な双耳峰が、手に取れそうな距離感で鎮座している。
現実はそれほど甘くはなく、起伏に富んだ岩場や痩せ尾根を、登ったり降りたりしながらにじり寄って行くことになる。 終盤には三大キレットの一つ、八峰キレットも待ち受ける。
6:47 五龍岳山頂を出発。
五龍からの下りは、いきなりガレた急勾配で始まる。浮石、玉石を避けて、慎重に歩を進める。
前方の岩場に、先行するパーティのシルエットが浮かぶ。こんな岩場では、大勢で歩くと心強いんだろうな、などと愚にもつかぬ事を 考えつつ後を振り返ってみるが、2-300mの範囲には誰もいない。
白馬村から大町、松本方面にかけては、一面雲海に覆われていて、八ヶ岳や富士山、南アルプスなどの高峰だけが頭を見せている。
↑ 隣の岩場を行く先行者
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前方に富士山や八ヶ岳 (Clickで拡大)
↑ 五竜岳を振り返る
↑ 越えても越えても岩場は続く (Clickで拡大)
↑ この岩場を越えたところがキレット小屋
その先には八峰キレットが待ち受ける
9:56 キレット小屋に到着。
岩の割れ目に挟まったマッチ箱のような雰囲気で、絶妙な配置で建てられている。小屋の前も背後も絶壁になっていて、周りに広場 を設ける余地はなさそうだ。休憩場にはテーブルが3、4セット置かれているだけで、客が集中すると溢れた客は地べた(一応板張り してある)に座るしかない。
少し小腹が空いて来たので、受付でカップ麺を頼んで腹を満たす。
30分ほど休憩して、キレットに向けて出発。
小屋を出るといきなりクサリ場で始まる。20mほど登って見下ろした
キレット小屋
の建ち方や位置はやはり絶妙である。
画像の右に写る崖を、時計回りに巻きながら登った先に、八峰キレットが待ち受ける。
岩盤がパカッと割れて半開き状態で止まってしまったような形の、このキレットには一味違ったスリル感がある。
慎重に足を運ぼうとしてコースに視線を落とすと、足元から下に向かってどこまで続くか判らない断崖が、否応なく視野に入って しまう。
背筋に冷たいものを感じながら、クサリを掴む手に思わず力が入る・・・というのは冗談で、ここはカメラ片手にサッサ と通過してしまった。
この後、反対の斜面に移り、右下に断崖を見ながら進む。続いて梯子やクサリの助けを借りて壁をよじ登る。両手両足総動員で、 さすがにここではカメラ片手、と言うわけには行かない。
キレットを通過すると、鹿島槍・北峰まで残り高度差200m余り、あと一息である。
↑ 下を見ると、100mぐらい先まで掴まる
手がかりは何もない。その下は・・・・
見えませ〜ん。
↑ 上を見る
↑ 崖のヘリを登る
3つのコブの左端が鹿島槍・北峰
↑ イワヒバリ. 山岳パトロール中(?)
↑ 鹿島槍・北峰山頂
↑ チシマギキョウ (Clickで拡大)
↑ タカネツメクサ (Clickで拡大)
12:10 鹿島槍・北峰に到着。
山頂の標柱は割れ目が入り、大きく傾いている。脇役に追いやられて、冷遇されているのか、少し哀れをさそう眺めである。 10分ほどで退散し、北峰に向かう。
北峰からの下りはガレた急勾配だが、鞍部から先は巨石が折り重なる岩場に変わる。100m余りを登り返して山頂へ。
12:58 鹿島槍・南峰に到着。
我々が辿って来た北からの登山者と、メインルートである扇沢−爺ヶ岳を経由する登山者が合流して大賑わいである。明日の日曜 はラッシュ並みに込み合うかも
....
。
人波が引くのを待って型通りの写真を撮り、ついでに手近な登山客にお願いして
記念撮影
も済ませる。
広場の端に陣取って、軽い昼食(2回目!)をとりながら休憩に入る。ここで20分ほど過ごして、次(冷池山荘)に向かう。
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↑ 布引岳から鹿島槍・南峰を振り返る。 白馬側から押し寄せる
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ガスが、西(黒部)側からの気流に押し戻されている。
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↑ PM4:15頃にはガスも消えた。
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左から布引岳、鹿島槍・南峰、同・北峰(冷池山荘から)
鹿島槍・南峰から冷池(つめたいけ)山荘までは約2.6km、高度差450mほどの下りである。途中の布引山で僅かに登る 以外は終始下りの稜線歩きである。
ここでも気流の激しいせめぎ合いが見られる。大町側から押し寄せるガスが稜線上に達したところで、黒部側からの気流に押し 戻される様子は、いくら見ていても飽きない。その前線に当たる稜線を楽々と下って、14:20 冷池山荘へ。
時間はかなり早いが、今日はこれで店仕舞いにする。
宿泊の手続きを済ませて、日陰の休憩場にでると、同年輩の登山者が席を詰めて、座るよう声を掛けてくれた。好意に甘えて座り込み 雑談に加わった。島根から来たという男性やとその仲間とはすっかり意気投合し、翌日扇沢に下るまで行動を共にすることになった。
この日は夏山の人出のピークに当たったらしく、冷池山荘もごった返した。畳一枚に2人を宣告されていたが、たまたま大口の キャンセルが発生したらしく少し混雑が和らぎ、畳2枚に3人の割合であった。
縦走4日目 下山
↑ 冷池山荘。すぐ近くまで崩落の進む崖が迫る。
↑ 雲海に浮かぶ火打、妙高、高妻 (Clickで拡大)
山荘を出るのに少し手間取って、島根のパーティから少し遅れて、慌てて後を追うことになってしまった。
爺ヶ岳まで200mほど登って、あとは扇沢までひたすら下るだけである。ところがこの登りが実にしんどかった。4日間歩き続けて、 脚の筋肉は伸びたゴム紐状態になっているようで、なかなか脚が前に出ない。
そんな事情もあって標高の高い爺ヶ岳はパスして、南峰だけに立ち寄ってお茶を濁したが、後になってよく考えると、この先標高 Top100の全山完歩を目指す場合、もう一度ここに来なくてはならない。もったいないことをしてしまった。
島根のパーティには、結局種池(たねがいけ)山荘まで追い付けなかった。いや〜、面目ない。^^;
↑ 種池山荘前の草地に住み着いたライチョウの母さんと
ヒナ達。
ヒナは合計6羽。大勢のギャラリー(登山者)に取り巻かれて、
戸惑いながらのお散歩
↑ 種池山荘を後にして、扇沢を目指す。
8:30 種池山荘を出発。
扇沢まで1100mほどを一気に下る。ここからは島根のパーティと一緒に歩く。このパーティ、年齢構成は広いにも関わらず皆さん 健脚揃いで、終始賑やかな行進が続いた。
コースは手入れが行き届いて非常に歩き易い。ところどころ石畳が施されているが、しっかりした石組みでぐらつくところはない。
8月第1週の日曜とあって、実に大勢の登山者が登って来る。このコースは、人気の鹿島槍への国道1号線に相当する。 この賑わい振りはおめでたいことだが、多分今夜の山小屋はどこも芋を洗うような混雑になるだろう。
10:55 扇沢登山口に無事到着。
島根のパーティは、ここのホテルでもう1泊して帰るということで、ここでお別れした。
このあと大町を経由して、白馬村に車を回収に向かい、4日間の縦走ツアーを無事に締めくくった。内容の濃い、いい山歩きだった。