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高速道の深夜割引が適用される、ギリギリの時間に富山ICを下り、途中のコンビニで弁当、飲料水を調達し有峰林道・小見ゲートに
到着したのは深夜1時頃で、ゲートは当然閉まっている。ゲート脇の駐車場に入り、そのまま4時間余り車中で仮眠を取る。
5:30頃目覚めるとすっかり明るくなっていた。急いで洗顔、朝食を済ませ、身支度を整える。6:00ちょうどにゲートが開き、並んで
いた車が一斉にスタートする。通行料は普通車で往復1800円也。
20数年前に通った時と比べると、道路は随分整備されている。要所要所はトンネルが穿たれ、少なくとも恐る恐る通過するような
狭い急カーブはなくっている。追い越しできるほどの道幅や直線部分はないので、ノロノロ走る前方の工事用車両にはイライラ
させられたが、30分ほどで折立に到着。広い駐車場は半分ほど埋まっている。
今回は初めての長い山歩きになる。忘れ物がないよう慎重に荷物を点検し、7時を少し過ぎたころ駐車場を出発。登山口横
の管理棟で入山届けを提出し、7:10登山道へ。
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登山口から高度差500mほどは、樹林帯を縫って進むやや急なコースだ。露出したシラビソの根が網の目状に入り組んだところや、
U字状にえぐれた赤土質の登山路はシューズを引っ掛けたり、スリップに注意が必要だ。雨天の下りはさぞ大変だろう、などと
今なら他人の心配をする余裕がある。2時間弱でこの樹林帯を抜け、やや開けたなだらかな尾根に出ると最初の休憩用ベンチに
行き当たる。三角点と表示されているこの地点の標高は1870m、併記されたデータによると、距離も高度差も太郎平までのほぼ
中間点に当たる。
ここからは視界が開け、周囲の風景を楽しみながらの歩けるか、と思っていたら逆だった。なだらかな登りがだらだらと続き
、歩いても歩いても景色の変化がほとんどない。右後方に有峰湖がきれいな水を湛えて横たわっているが、この俯角や見た目の大きさ
がいつまでも変化がない。まるで自分についてきているような錯覚さえ覚える。
このコースでありがたいのは、要所ごとに設置された休憩ポイントである。およそ500m間隔で配置されたベンチとテーブルは、
登山者の体力・持久力に応じて適切に休憩が取れる、配慮の行き届いた施設だと思う。
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沿道に設置された道標によると、折立−太郎平は8kmと記されている。並みの山なら頂上を通り過ぎる距離である。それがこの山
では、これだけ歩いてやっと山の本体への取っ掛かりに過ぎない。何と懐の深い山か。
ボヤキに近い感慨にふけりながら歩くこと3時間半余り、やっと太郎平小屋に到着。今夜はここに泊めて貰おう。恐る恐る空きを
尋ねると、意外に軽くOKだった。
昼食はここで済まして、薬師岳アタックは軽装で行くことにする。コンビニおにぎりをパクつきながら、隣のベンチで休憩中の
登山者と雑談。何でもこの薬師岳が百名山踏破の99座目だとか。で、来週には99座制覇の仲間数人が示し合わせて、最後の剣岳に
集合する計画だそうな。下山する氏を、100座無事踏破をと声をかけつつ見送る。
さて、こちらも薬師岳本体に向けて出発だ。が、山頂はガスに包まれ殆ど見えない。
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薬師峠に向けて、木道の設えられたなだらかな尾根を進む。15分程で薬師峠に到着。テントが2つ張られているのを横目に通過。
ここから薬師平までは沢筋に沿った、大石がゴロゴロ積み重なった急登の難所だ。沢筋に出てすぐに水の流れがあったが、手を
入れると温かみが感じられる。深い地層から湧き出る清水ではなさそうだ。
肩で息をしながら、休み休み進むこと約30分で薬師平に到着。木道の設えられた平坦な湿原だ。今は水気を失い乾燥地と化している。
一面に綿毛をまとったチングルマが風にゆれている。夕方日が射せば逆光に映えていい絵が撮れるかも、などと帰りに期待しつつ
先を急ぐ。
薬師平の平坦地が終わると、ハイマツだけの砂礫の道になる。しかも急登だ。喘ぎ喘ぎ先を急ぐが思い通りにペースは上がらない。
30分ほど掛かって薬師岳山荘へ。まだこの先200m以上の高度が残っている。
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更に40分ほどかかって、避難小屋の残骸を過ぎたところで雷鳥の親子に遭遇。母鳥はコース脇の小高い石の上で鳴き交わしながら
ヒナ鳥を見守っている。デジカメを取り出したらカメラ目線をとってくれた(ウソ!)。
ヒナ鳥は全部で3羽、少しも人間を恐れる様子がない。休憩を兼ねて立ち止まってジッと見守る暇人の方に、路傍の雑草の実をつい
ばみながら近づいて来る。ついにはわずか1m先で砂浴びを始める始末だ。暫く目の前で砂浴びショーを演じた後、食べ物を求めて
遠ざかって行った。すばらしいショーだった。
ヒナ鳥が去ったのをきっかけに歩行を再開する。
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砂浴びショーの後、10分ほどで薬師岳山頂到着。周囲はガスに覆われて、展望は全く利かない。無念!。
やむなく近場の標柱などをカメラに収める。後から登ってきた人にシャッターを頼んで、登頂証拠もGETし、10分ほどを過ごした
後、下山開始。長距離を歩いて来ただけに、いつもより脚の疲労感が感じられる。
先ほど雷鳥に出会った場所まで戻った時には、コース外に去ったのか姿はなかった。帰りは一切の物事に目もくれず、ひたすら歩き
続ける。薬師平まで戻った時も、期待に反して上空はガスに覆われたままだった。待っていれば短時間のガスの切れ間には恵まれる
かもしれないが、写真は諦めて下山を急ぐことにする。沢筋のゴロ石には下りでも苦しめられたが、何とか無事にクリアし、15:42
太郎平小屋に帰り着いた。
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小屋の周りに設けられた 案内板 などを
見ながらボンヤリと休憩していると、南の方向のガスが晴れて視界が利いてきた。明日向かう予定の黒部五郎もクリアに見える。
この調子で明日も晴れてくれればいいのだが....
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