常念岳
2,857m   (2007/10/21)
コースタイム:
三股駐車場(5:45)  ─→  (5:59)登山口(6:01)  →【休憩 15分】→  (10:13)避難小屋(10:23)  →
  ─→  (11:15)常念小屋分岐(11:18)  ─→  (11:27)山頂(12:08)  ─→  (12:15)常念小屋分岐  →
  ─→  (12:54)避難小屋(13:10)  ─→  (15:36)登山口  ─→  (15:48)三股駐車場
※各ポイントの左時刻は到着時刻、右時刻は出発時刻を表す
同行者:なし(単独行)
車中の仮眠から覚めて時計を見ると5時少し前、外はまだ真っ暗だが、あちこちの車で既に動きが始まっている。顔を洗って、 麓で調達して来たコンビニ弁当で朝飯を済ます。
5時半近くなって、ようやく空が白み始める。沢の奥に見え始めた山々の頭は、白く雪をまとっている。これが目的でこの時期を 選んでやって来たのだが、少し弱気の虫が騒ぎだしている。
気を取り直して装備を整える。最悪避難小屋泊を想定して、行動食と非常食1.5日分、飲料水2gに加え、防寒具とシュラフをザック にねじ込んで準備完了。結構重くなってしまったが、ひたすら我慢だ。

5:45 行動開始。やたら寒い。手持ちの温度計は2℃を示している。
林道を辿って15分ほど進むと数棟の小屋があり、その脇から山道が始まる。ここが本番の登山口で、入山届のポストも用意されて いる。
届けを投函して山道に入るとすぐに鉄の橋がかかっており、道は2手に分岐する。沢に沿って直進すると蝶ヶ岳、右に折れて常念岳である。前後して歩いて来た 殆どの登山者は蝶ヶ岳方面へ進んで行った。一人右に折れて進むと、いきなりの急登である。
予め地形図から、かなりきついコースであることは覚悟して来たが、 予想を裏切らぬハードさである。ブナなどの広葉樹は、すっかり色付いている。日が差せば、さぞきれいな景観だろうが、明け切っ てもいない森の底では、くすんだ色調にしか見えない。
外に向けての一切の視界を断ち切られた、きつくて退屈な歩行が、高度差800m、時間にして2時間半ほど続く。唯一の救いは、夏の 登山と違って発汗による消耗がないことぐらいか。
標高2200m付近まで登ったところで、コースは束の間なだらかな尾根に出る。森は次第に密度を落とし、林相はモミなどの針葉樹 に変わっている。
ここまで来て、やっと目標の山塊が垣間見られるようになった。常念岳は勿論のこと、前常念から上は雪をまとって真っ白だ。
前常念までの高度差450m、今回のコースでは最後の急登に取り掛かる。
その急斜面の取り付き辺りが森林限界で、林相は潅木とハイマツが中心となる。大石が積み重なる中を、石の隙間をすり抜けつつ 斜面をよじ登る。
高木が途絶えた急斜面は、足腰には地獄だが、視界が開けた分、目には天国である。振り返ると眼下には安曇野が広がり、その後方 には、八ヶ岳や南アルプスの峰々も見渡すことができる。
標高2400m付近まで登ると、常念から蝶ヶ岳に連なる尾根越しに、穂高の山々が頭を見せ始める。期待通り真っ白に雪化粧している。
4時間余りかかって、前常念岳・避難小屋 に到着。外壁全面を岩石で覆った、要塞のような小屋である。最悪ここで一泊・・・を想定して準備はして来たが、現場を見て方針を 転換。何とか頑張って下まで降りることにしよう。
ここで10分間休憩の後、山頂への最後の尾根を登る。残り標高差200m。 斜度は今までと比べると、格段に緩やかになるが、ここから先は、ほぼ全面雪中行進になる。
山頂直下のコブを通過したところで、眼前に槍ヶ岳の特徴的な山塊が目に飛び込んでくる。美しく雪をまとった槍を、ほぼ 水平目線で見られることに少し感激。
コースはここで、山頂に向かうコースと、常念小屋に向かうコースに分かれる。
11:27 山頂到着。10人余りの先着の客が、思い思いの場所に陣取って休憩している。私・暇人も空いている岩場にザックを置き、 休憩モードへ。
山頂の最高点には小さな祠が安置され ている。ここから1mほど下がった位置に、左画像の標柱が立つ。 それにしてもいい天気である。風は強いものの、わずかに北東地平線付近を除いて、雲は見当たらない。シャッターを頼み頼まれ ながら記念撮影を済ませる。気温は3℃ だが、こんな格好でも寒さは感じない。続いて360度のパノラマ写真の素材撮影にとりかかる。
一通り撮影を済ませた後、食事にかかる。考えてみると登山口からここまで、水分を一滴も口にしていなかった。PETボトルの 飲み物も、コンビニで調達した時の冷たさをそのまま持続している。
山頂で30分ほど過ごして、12:08 下山にかかる。


          ↓ 常念岳からのパノラマ画像(南西〜 時計回り360度)
下りは、登って来たコースをそのまま逆に辿る。
下山の途中でも、登って来る大勢の登山者とすれ違う。しかし出入りが拮抗しているのか、振り返ってみても、さほど広くもない 山頂がごった返す様子はない。
尾根に沿って下る視線の先に、安曇野や これから向かう尾根が自然に視野に入る。前常念から下も、2200m付近まで北斜面には雪が残っている。
同じ積雪量でも、下りはやはり緊張の度合いが違う。足を滑らせないよう、慎重に歩を進める。軽アイゼンは持参したが、それが 役に立つ雪面の状況ではないので、往復とも装着はせずに済ませてしまった。
緊張のうちに前常念岳の前後の、積雪の岩石群をやり過ごし、標高2200付近まで下ると土の感蝕に再会する。歩行のペースは ドンとアップして、快調に高度を下げて行く。
ここで、登りの際追い越された、8人組のパーティが休憩しているところに追いついた。軽く挨拶して先に出たが、この後 離れるでなく、さりとて合流するでもない微妙な形で登山口まで行動を共にしながら下山することになった。うち一人はキノコ に関心があるようで、足を止めてはヤブに踏み込んで行くため次第に遅れてしまったが、皆さん気さくで楽しい山仲間の様子だった。
15:36 登山口へ。更に林道を下って、15:48 三俣駐車場に到着。疲れたー。
が、充実した1日だった。