光岳
2,591m   (2008/09/17)
コースタイム:
易老渡登山口(5:48) ─→ (7:22)面平(7:30) ─→ (10:10)易老岳(10:12) ─→ (11:52)静高平(12:05) →
  ─→ (12:20)光小屋(12:23) ─→ (12:38)光岳山頂(12:45) ─→ (12:52)テカリ石(12:57) →
  ─→ (13:10)山頂 ─→ (13:20)光小屋(13:25) ─→ (14:13)静高平 ─→ (14:59)易老岳分岐 →
  ─→ (16:12)面平 ─→ (17:06)易老渡登山口
 ※各ポイントの左時刻は到着時刻、右時刻は出発時刻を表す
同行者:なし(単独行)
車中での仮眠に入って6時間ほど経ったろうか。携帯にセットしてあったアラームで目を覚まし、車から出てみると 空は明るくなり始めていた。上空はきれいに晴れているようだ。
コンビニ弁当をかき込んで、急いで身支度にかかる。 広い駐車場に停まっているのは自身の車1台だけ。2、3台ぐらいは、と期待して来たが、寂しい道行になりそうである。
入山届けを出して、登山口の橋に踏み入れたのは5:48になっていた。対岸に入ると、いきなり急勾配の山道が始まる。周囲はきれいに 手入れされたヒノキの人工林である。まだ間伐は行われていない様子で、密度の高い林床は、日が昇りきっていないこともあって 薄暗い。
300mほど高度が上がると人工林は終了し、シラビソなどの針葉樹が主体になるが、コースの薄暗さに好転の兆しはない。
山頂までのコース全体の凡そ90%は、頭上も前後左右も一切の視界は閉ざされていて、風景を眺めることで得られる癒しは期待できない。
易老岳までコースはほぼ一貫して急な尾根を辿り、これでもか!と言わんばかりに勾配を緩めることはない。 唯一の例外が、1時間半ほど歩いたところ、標高1500m付近の面平(めんだいら)である。
この付近の平地は例外的な存在で、なだらかに起伏する尾根の一角に針葉樹・広葉樹の大木が混在していて、中には直径1m近いもの もある。人為的な手入れが行われている筈はないのだが、積み重なった落ち葉の他には、下草も若木もほとんど目に付かない。 倒木や岩石はもちろん、立ち木までが苔むして、”もののけ姫”が歩いていそうな風情である。
こんなところが居住地の近くにあればね〜....


下の2枚は、面平の一角。
↑ 面平@ ↑ 面平A (Clickで拡大)
コース全般を通して、山岳事故に繋がるような危険箇所はない。
強いて危ない点を挙げるとすれば、1つは急な粘土質の赤土のコースで、雨などで濡れると滑り易い。2つ目はコース各所に見られる 定置網のような木の根で、これも濡れると 甚だ滑り易いし、足の上げ下ろしで油断すると、躓きの元になる。
易老渡から4時間半、高度差1500mほどを黙々と歩き続けると、次第に勾配が緩くなって易老岳の分岐点(左)に着く。
ここから先は、一旦150mほど下った後、再び400mほど登ることになる。1500m登り続けてお疲れモードの脚には、下りは適度の癒し にはなるが、下った分は上り返さなくてはならないことを思うと痛し痒しではある。この150mを下り切った辺りで、やっと森が途切れ 草地が広がるようになる。
右手の山腹が大きく崩落している”三吉ガレ”に出ると、ここで初めて周辺の山々を目にすることができる。この一角こ『携帯OK』 の手作りの看板が置かれている。NTTのものを取り出して試してみたが、FOMAではダメだった。
”三吉ガレ”を後にして、暫く平坦なコースを進み、続いて枯沢に入る。
↑ そこそこ急な枯沢の道を進む ↑ この時期見られる草花はトリカブトぐらい (Clickで拡大)
↑ 枯沢の終端付近、このコースで唯一の水場
  この時期、水量は枯渇気味でマグカップ1杯に10分近くかかる
↑ 水場から5分ほど歩くと小屋が見え始める
水場には”静高平”の看板。適度な平坦地になっていて、絶好の休憩ポイントである。今は渇水期に入ってしまった ようで、水量はポトポトとお寒い状態である。
水場を後にして5分ほど歩くと、平坦なハイマツ帯に入り、前方に光小屋が見え始める。その後方にはなだらかな光岳が控え目に 佇む。
小屋の直下の平地は湿原らしい風情で、木道が敷設されている。今はすっかり干上がってしまって、ただの草地と化している。
ここの平地部には”亀甲状土 ”と呼ばれる特異な地形が形成されている。氷河期に水分の凍結融解作用によって、砂礫が大きさ毎に移動・集合して、 亀甲模様の地表形状が作り出されたものだそうな(100%受け売りです ^^;)。現在はこの特異な地形部分も草に覆われているが、 砂礫の大小で草の成長に差が出て、草地が亀甲模様を描いている。
光小屋に到着して玄関に回ってみると、 何と営業は終了している。
避難小屋として開放はされているが、自前の寝具は持参していない。泊まるつもりでやって来たが、 これでは下山せざるを得ない。以後の行動は、少しずつ時間を切り詰めることにする。
小屋の休憩場にザックを置いて、カメラなど最小限の手荷物を持って山頂に向かう。コースは再び森林帯に入る。
なだらかなコースを辿り、15分ほどで山頂に到着。
山頂部は伐採されているが、周囲はシラビソの原生林で、ここから周囲の風景を見ることは全くできない。10mほど奥(西)に進んだ ところに”展望台”と名付けられた岩場があり、ここからは西方向の眺望が得られる。
ここまで来たからには、この山のシンボル的存在・テカリ石を見ずに帰る訳には行かない。そそくさと 記念撮影を済ませて、案内板の示す方角を目指す。
下りのコースを7分ほど辿ってテカリ石に到着。頭に例えると後頭部に当たる位置である。
パンフやWebの山行記ではこの岩の横顔が紹介されているが、隣の尾根など別の場所から撮影したもののようだ。青空に映える 石灰岩の白い岩肌を思い描いて来たが、あいにく今日はどんよりした曇り空で、岩肌はくすんでいる。残念!

さて、ゆっくりしてはいられない。下山だ。
詳細は省くが、山頂→(10分)→光小屋→(96分)→易老岳分岐→(127分)→易老渡登山口 という風に、私としては記録的な ハイペースで無事下山を果たした。
積算標高差1900m+αを11時間余りで日帰りできたのは、大きな収穫だった。