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布施ヶ坂トンネルを抜けると、すぐにR197から地方道に入る。船戸の集落を抜けると、林道の幅はすれ違いもできないほど、ガクンと
狭くなる。4kmほど進んだところで、林道は逆V字状に分岐する。Web上に多数掲載されている不入山登山の紹介記事では、この辺に
車止めのゲートがあるように紹介されているが、本日現在それらしいものは何もない上に、真新しい舗装が施されている。恐る恐る
車を走らせると、新舗装はすぐに終わり、未舗装で落石ゴロゴロの道になる。
分岐から2kmほどで、左の登山口に着く。やはり車の進入は公認されたものではないようで、駐車できるスペースはせいぜい3,4台分
しかない。
ここで装備を整え、登山路に足を踏み入れる。
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登山路は沢伝いに進む。大石・小石のゴロゴロした、お世辞にも足場がいいとは言えないコースである。進むにつれ、次第に沢の
水量はか細くなる。
10分少々で源流点に到着。誇らしげに源流点であることを記した標柱が立てられている。今は湧水量が多い時期にあたるのか、
ここで水が途絶えるわけではなく、更に上流方向にも水流がある。
公称・源流点で記念撮影を済ませ、湧水で喉を潤した上で、次なる目標・不入山山頂を目指す。ここから先は、コースは更に心細い
ものになり、立ち木に巻かれたテープの目印を見落とすと、すぐにコースから外れてしまう。
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コース周辺の森は概ね落葉広葉樹で、芽吹きも始まっていない今は、林床まで光は行き渡って見通しもいい。多種多様な小鳥の
泣き声やさえずりが響き渡っている。
20分ほど歩いたところに、2つ目の源流点看板が立てられていた。今は完全に枯沢と化しているが、水量の多い時期にはここから
初めの一しずくがはじまるかと思うと感慨深いものがある。
コースは、この地点から大きく左(南)に進路を変え、巻き道になる。コースは背丈を越えるクマザサの中に切られている。
頭上の高木から、種類は判らないがキツツキのドラミングが響いて来た。久しぶりに聞く、軽快で心地よい響きだった。姿は?、目を
こらして音源の方向を探したが、結局確認できず終いだった。
10分ほどで尾根に出る。ここから逆V字に進路を変え、北西に伸びる尾根に沿って進む。コースは両側ともクマザサに覆われて、
視界は完全に閉ざされている。目には退屈なコースだが、頭上から響いてくる小鳥の鳴き声に耳をそばだてながら歩く。
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8:38 山頂に到着。
車なら3台止められるか、という程度の平らな山頂の中心を避けるように、
石組みの祠が祀られている。
ほぼ中央に山頂を示す小さな看板と、朽ちたベンチが置かれている。”主客転倒”の好例である。
登山口から1時間半ほど、足慣らしとしてはちょうどいい距離と高度差だった。
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山頂からの眺めは、わずかに北方向に開けているだけで、三方はクマザサと樹木に遮られている。芽吹きが始まっていない今は、
背伸びをすれば枝の隙間からかろうじて遠くの山並みが望めるが、葉が茂る時期には目隠し状態かも知れない。
開けた北方向には、山頂を削り取られた鳥形山が鎮座している。ここで採掘された石灰岩は、ベルトコンベアで延々40km以上を
運ばれてセメントに化けるそうな。
山頂には10分足らずの滞在で、下山にかかる。
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往路と同じコースを辿って下山する。これといったハプニングもなく源流点まで戻り、沢の水音が聞こえ始めた頃、きれいな小鳥の
さえずり が聞こえて来た。歩みを止めて声の
方向を探すと、いるいる。濃い茶色のスズメより少し小さな鳥だ。この時点で鳥の名前は判らなかったが、戻ってWeb図鑑で調べると、
「ミソサザイ」らしい。
同じ鳴き声が沢の上流や向いの尾根から響いてくる。デジカメを動画モードにして狙ってみる。顔をこちらに向けて、カメラ目線で
長い間さえずってくれた。距離はおよそ10m、画像は使えなかったが、音声はきれいに収録できていた。先程のキツツキのドラミング
で、この動画モードの利用を思い付かなかったのは不覚だった。
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