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三俣山荘は宿泊収容人員に比べて食堂収容人員が少なく、食事時は熾烈な先陣争いが起きるという伝説が語り伝えられている。
で、この朝は当方も早めに起き、順番待ちの行列の頭部に立った。東京3人衆もほぼ同じ位置を占めている。食事を手早く済ませ
外に出てみると、半袖Tシャツではちと寒い。
空模様は昨日とは打って変わってきれいに晴れ渡っている。眼前に大きく槍ヶ岳が立ちはだかり、視線を少し左右に振ると
常念岳や笠ヶ岳の端正な姿が目を引く。それらの山塊の手前の硫黄尾根の赤い壁がひときわ美しく映える。
視線を大きく右に振ると三俣蓮華岳が頭に朝日を受け輝いている。すばらしい光景だ。
出発に備えて身支度にかかるが、一足早く東京3人衆が準備を終えて出発しようとしている。今日は蓮華岳、双六岳を目指し、
明日新穂高温泉に下りるという。互いに無事走破を、と声を掛け合い見送る。
やや遅れて当方も準備を終え、5:47出発。
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正面に大きく立ちはだかる鷲羽岳を見ながら、ハイマツ帯を進む。山容の全体像を眺めながら歩けるのは、山荘からわずかの間だけで、
斜面に取り付くと見えるのは眼前の岩壁だけになる。
20分ほど歩いたところで、一足先に出発したツアーと思われる30人ほどの団体に追い着いた。行列の末尾から道を空けて追い越さ
せよと号令が飛ぶ。すでに急斜面に取り付いており、30m余りに伸びた行列を追い越すのは半端な消耗では済まない。有難くもあり、
迷惑でもある配慮ではあったが、やせ我慢して一人ひとりに挨拶とお礼を言いながら前に出る。
高度差およそ400mのコースの半分ほど登ったところで、下山する人とすれ違った。道を譲りながら話を聞くと、4時に山荘を出て
鷲羽まで行った帰りだという。何という行動力、何というスタミナか!。
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山荘から50分ほど歩いて、やっと鷲羽池が見えるところまで辿り着いた。背景に槍、北釜尾根や硫黄尾根の赤壁を従えて、誇らしげに
水を湛えている....と言いたいところだが本当のところは、小さくなった湖面は心細そうに見える。
振り返ると目の前には三俣蓮華や黒部五郎が雄大に広がっている。昨日1日がかりで歩いて来たコースや尾根筋を目で逆に辿って
見ると、三俣山荘から太郎山まで、全てをクリアに見渡すことができる。
その更に向こう側、富山平野には雲海が広がっている。
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更に20分かかって7:01鷲羽岳の山頂に到着。先着の5人ほどが休憩を取っている。
後には大軍団が控えており、20分もするとここはごった返すことになる。荷物は頂上平坦部の端に置き、登頂記念の撮影にかかる。
手近な登山者にシャッターを頼み、頼まれながら撮影を済ませる。
一通り撮影を済ませ、改めて回りの山々の眺めを楽しむ。360度どの方角を見ても見えないところはない。さっきすれ違った登山者
は、「見えないものを見つけるのが難しい」と形容していたが、全くその通りだ。中でも"暇人"が関心を持ったのは、端正な姿を見せる
笠ヶ岳と常念岳だ。この2つは是非年内にトライしてみたいと思う。
15分ほど風景を堪能しているうちに、先ほどの軍団の先頭が見えて来た。ぼちぼちこちらは引き払うことにし、身支度にかかる。
7:17 次の水晶岳を目指して出発。
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水晶岳に向けては、ワリモ岳というピーク越えをこなさなくてはならない。鷲羽岳から一気に100m下り、ワリモ岳への60mを昇降
する。
慢性スタミナ欠乏症の"暇人"にとって、こうした登攀過程でのダウンは限りなくもったいなく思えるのだが、今日に関する限り
昨夜の睡眠時間が充分であることから満充電に近い状態にあり、ここの大きなアップダウンも無難にこなすことができた。
このピーク越えを過ぎれば、後は暫くなだらかな尾根筋を展望を楽しみながら進むだけだ。鷲羽から40分少々でワリモ北分岐に
到着。この後、水晶岳まで往復してここまで戻り、祖父岳・雲ノ平方面に廻る。
分岐を少し過ぎたところにザックを置き、最小限のカメラや飲料水のみをサブバッグに詰め、身軽な装備で歩き始める。
以下、 水晶岳 に続く
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